ベトナム やってはいけないビジネス編
|やってはいけないベトナムビジネス その1
~ 一発勝負
銀行や紹介されたコンサル会社の素晴らしいプレゼンを聞き、ベトナムに投資の魅力を感じ進出すること自体に問題はない。
しかし、言われるがまま投資し、ふたを開けてみると聞いていた話と違うことが多発し、何故だろうと考える暇もなく引くに引けない投資から致命傷に。
よく実際に起こっていることで笑い話にもならない。
これまでの日本からベトナムへの直接投資の経済効果が成功といえるものではないのであれば、ワンクッションおいて初動確認してみるのもありかもしれない。
大林建設もシリコンバレーに入り込むのに20年かけた。
イオンのベトナム展開でも15年以上も検証に時間と労力を費やしている案件もある。
この人がいうなら最悪失敗してもいいし、勉強代程度の額だからという考えでは、それこそお金をドブに捨てるようなものだ。
しっかりしたフォーメーションを組んでタフ投資しないような基盤を固めては如何だろうか。
やってはいけないベトナムビジネス その2
~ 現地完全丸投げ からの 日本での意思決定
ベトナムの政府やトップ企業と組んでいるの安心していたが現地に業務を丸投げ。
使うべき時と場所に何故かのコストカット制限で現地事情がおろそかに。一方で意思決定はすべて日本。
気づけばいつの間にか現地法人が無かった。
こちらも実際に起こっている話だ。
特に分散型の複数投資で投資初期に力を注ぎ成功した為、前例と似たような別の投資案件はさほど力を入れなくとも行けるだろうと踏んでいた。
しかしながら、ステークスホルダーが初期とごっそり入れ替わっていた為、本来は初期と同様の労力を注がねばならなかった為に起こった。
やってはいけないベトナムビジネス その3
~ せっかちは相性が悪い
日本での巨大なセールスパイプを握り、将来的にもマーケットが約束されているのならば、完全下請けとしての現地と仕事をするのはありだろう。
しかしながら、そのような会社は日本では稀であろう。
あのトヨタでさえも下請けや子会社の関係から「パートナーシップ」という新しい関係のあり方に価値を見出し、構造改革を進めている。
すぐ金額の話になったりすることはないだろうか。
中身を詰めていないので現地からの見積もりも流動的に変わり、粗があるまま進めると致命的な欠陥が見つかる。その後は責任問題になるパターンは黄色信号だ。
また初歩のふるまいで、ハイテンパーであったりパワハラに発展するような態度では海外ビジネス云々の前に課題があるケースが多い。
やってはいけないベトナムビジネス その4
情報の淘汰
専属コンサルや自社調査した情報 と 現地からの情報
現地政府や駐日情報 と 現地リスクアドバイザーからの情報
取引がある会社からの情報 と 取引がない会社 からの情報
見栄えが良い資料 と 悪い資料
日本の会社には稟議というものが、これでもかというほど海外事業での弊害になっていることは長年、当事者の方であれば痛感していることと思うし以外に多い失敗の内の一つだ。
もちろん、どの情報も一長一短があるのだが、流動性の高い市場、つまり変数が乱立し把握できていない状況で、取引先の関係上であるとか、株主やコンサルの関係上、意思決定に情報の選択を依存させることは、特に中小企業の場合は致命傷になることが多いし実際に多く起こっている。
もちろん見栄えがよい資料であることに越したことはない。
しかしながら、見栄えがよくともサービスや商品にリカバーできない欠陥がある場合、誰も得をしないことが多い。
もし見栄えが悪いのであれば、後で見栄えよくできるようプロに依頼すればよいだけである。
やってはいけないベトナムビジネス その5
~クラウド人材開発
ここでいうクラウドとはサーバー等の技術的な話ではなく、巷で人気のクラウド人材サービスについてだ。
クラウド人材は、いわば技術のシェアリングで突貫的な開発には有効だが長期的には無価値と断言しよう。
自社の開発案件を不特定多数の個人群へ依頼することには、スポット案件の為にマイナー言語のエンジニアを抱えなくてよいという大きなメリットもある。
しかしながら、クラウドへの外注を量産する事がすでに会社に人材が不要なことを意味するわけであるから、人材が不要なスキームが必要になる。
今やクラウドでメディア構築もマス対応できるし、発展系ではロボティクスで自社ニュースの記事を自動で作成してくれるものまで現れている。
短期的には効果的であるが長期的に優秀なエンジニアを抱え常にニーズにヒットする最先端のアルゴリズムの研究が可能な会社でない限りは安易に首を突っ込むことよりも会社そのものの構造を改革してみては如何だろうか。
やってはいけないベトナムビジネス その6
~持続的発展の為の活動 SDGs
突き詰めると持続的発展の為に海外のノウハウやアイデアを取り入れたいという希望はこのベトナムの上層部でも切に希望していることだ。
しかしながら現在日本に見られるようなプロモーション要素や自社の利益をあからさまに追求した海外チームのSDGsといううわべの言葉だけを唄った活動は通用しない。
特に東南アジアでもコロナ渦でもアフターコロナ後でもすさまじいスピードで発展している。
ダナン市で言えば都市開発計画・刷新計画と課題が山盛りの中、交通局スマートシティ課や各省庁や機関トップが求めている事は小難しい専門的な議論やではない。
以外と大手優良企業ではなく一中小企業や学生・インターンシップなど自由な発想で取り組む活動が現地では評価されていることは否めない。
記者:玉田 宜生