ダナンでサステナブルなまちづくりを目指す、牡蠣の養殖に挑む日本人

2015年9月の国連サミットで採択された、2030年に向けた具体的行動指針「持続可能な開発目標(SDGs)」。「SDGs」では「住み続けられるまちづくり」が目標のひとつとして掲げられているが、ダナン市にも大きな発展を目指すのではなく、住民によって「安心・安全なまちづくり」が進められている場所がある。

ダナン市から北に20㎞ほど車を走らせると、ベトナム戦争の戦争遺跡であるトーチカが残る「ハイバン峠」という美しい峠がある。その峠を越えると、汽水湖(淡水中に海水が侵入している湖沼)のある「ランコー」に到着する。

この汽水湖では牡蠣の養殖、環境保全に取り組む日本人がおり、実際に訪問して話を聞いてみることにした。

Q:牡蠣の養殖プロジェクトを始めようと思ったきっかけは、何だったのでしょうか?

A:私は彼らの助けになればいいと思ったのです。生産者は皆個人で、農協のような組織もなく、限りなく限定された場所にしか商品を卸せない。そのあたりで何かお手伝いができないかと思いやってみると、C to Cも試食会等も非常に評判が良くて。

ただ、ほぼ手作業でやっていますので、牡蠣の殻が商品に入らないようにする等、課題もありました。「ランコー」以外の養殖場にも行くことはありましたが、「ランコー」がほかの場所よりも養殖地として優れていると思い、やってみようと思ったのです。

私はベトナムの企業に勤め、ベトナム中部を担当する機会があったのですが、その際に「ランコー」で牡蠣の養殖を見る機会がありました。そこでは廃棄タイヤを使い、養殖を行っていました。しかし、聞いてみると、彼らは廃棄タイヤを購入することすら厳しい経済状況で。また、台風も来るので、収入が不安定な厳しい生活を送っていました。

Q:なぜ牡蠣なのでしょう?

A:ベトナムでも農業には様々な技術が用いられていますが、これは企業として体力がないと難しいです。一方で漁業や養殖はやりたい人がまず少ない。養殖で言えば、南部ではエビの養殖が今まで行われてきましたが、マングローブの破壊等の環境問題を引き起こしており、イメージが良くないのです。ハイバン峠は“ダナンの肺”、ソンチャー半島は“ダナンの心臓部”と言われるように、このエリアは自然との協和性が強い場所です。牡蠣とその養殖環境(山・川・海)は、自然の保全にも良いと考えていますし、現地のニーズにマッチしていると思います。

Q:今後の目標はありますか?

A:ベトナムの大企業の中には、サステナビリティと資本主義の共生に関心を持つ企業も少なくありません。この取り組みを通し、海外、特に欧米の大学からインターンシップ生や専門家を取り込んでいきたいと考えています。現在、欧米では日本を含めたアジアでのインターンシップが非常に人気ですし、今後の持続的発展のためのアプローチとして、ものづくりで栄えた日本は非常に強い関心を持たれています。

ハイバン峠の麓では、ベトナム最大級のITパークが稼働を開始しています。ITとサステナビリティの融合によって、まずは様々なアドバイスを得られる人が集まる環境を整えていきたいと思います。市の補助金も見据えた活動も実施していくつもりです。

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