1000万円売り上げる出店者も、ダナンEC事情

世界で市場が急拡大しているECだが、ダナンでもここ5、6年大きな盛り上がりを見せている。

以前は人口90万人程度で購買力も他地域と比べて低く、富裕層も1000人程度しかいないと言われていたダナンだが、他都市・地方から1日100人単位で流入している関係で、現在の人口は140万人程度にまで増加している。

それに伴い、ダナンの生活環境も大きく変化した。若者たちのオシャレ意識は高まり、メイクに気を使う女性が増えた。日傘をさす人もいる。また、小さな商店で英語・日本語・韓国語の商品を見かけることも珍しくなくなった。住宅をオシャレにリフォームしたり、ペットを飼うようになったり、ダナンの人々のライフスタイルは確実に変化している。

こうした彼らのライフスタイルの変化に大きく貢献しているのが、ほかでもない「EC」の浸透だ。今回はダナンの人々の生活ツールである「EC」に焦点を当ててみたい。

ベトナム人100人にリサーチ

■ECを利用したことがあるか?

90%あり 8%なし 2%不明

■「EC」の利用目的は?

日用品(服・靴等)、化粧品、バイク用品、嗜好品、電化製品、乳児用品(おむつ・ベビーカー・玩具)、飲食品、ペット用品、薬品、建材、本の購入。ここでは記載できないような大人向け商品もあるが、法律に触れるもの以外は「EC」ですべて入手できる状況だ。

特筆すべきは利用者の多くが中間所得者層であることと、低所得者省の利用も極めて目立つ点にあり、商用利用として生活に馴染んでいる。

■ベトナムで認知されているECサイトは?

「LAZADA」「SENDO」「SHOPPY」「TIKI」「ROBINS旧ZALORA」「FOODY」。これら6ブランドがベトナム「EC」の代表であり、他にもあるものの、知名度は圧倒的に低い。

「LAZADA」は2011年、独「Rocket Internet」がアマゾンをモデルにシンガポールで創業。現在は中国の「アリババグループ」が経営権を握る。「SENDO」はベトナム最大手ITの「FPT」が運営。「SHOPPY」は「LAZADA」同様、シンガポールを拠点とする「EC」だ。ベトナムの「TIKI」はもともと本を取り扱うサイトであったが、日本の「住友商事」や中国の「京東商城」、無料メッセージアプリ「Zalo」やオンラインゲームを手掛けるベトナムの「VNGコーポレーション」等から出資を受け、総合オンラインショッピングサイトとして成長した。

ベトナムでは取得するライセンスやマネーフロー、物流・サプライチェーンの課題もあり、共通プラットフォームを利用するモール型「EC」が主流となっており、自社商品・ブランド品を販売する「EC」サイトは少ない。

各「EC」では商品購入後に「Vietel」「Deliverly Express」「Surving Deliverly」「GT Deliverly」等の配送会社を選択できる。商品の清算はベトナムらしく、現金代引きが多い。これは配送途中での破損・紛失に対する補償サービスが未成熟であることも関係している。

出店者たちの扱う商品は似たり寄ったりの場合が多いが、人気出店者は存在している。彼ら・彼女らはどのように差別化を行っているのだろうか。面白いことに、主な人気出店者たちは「EC」を商品のショールームとして利用している。

実際の取引は「Facebook」上で行われることが多く、Facebookのメッセージ機能を使い、客に口座番号を伝えたりしてアナログ決済している。人気出店者のフォロワー数は3万〜5万人で、「Facebook」内でのライブストリームを使ったPR活動を始め、それぞれ“独自パッケージ”を持っていることで商売が成り立っているようだ。

ここで言う“独自パッケージ”とは、商品の質や円滑な取引で信頼性を高めて自身をブランディングし、多くのフォロワーを抱える発信力等を積極的に活用し、大きなプレゼンテーション力を発揮していることを指す。

商品の中には現地直産品も見られる。例えば、乳牛の放牧で有名なマウチャウからのヨーグルト、マスの養殖で有名なサパからの鮮魚、ニャチャンからの海鮮等だ。これらは産地直送に近い形でエンドユーザーに納品されているようだ。

「安く仕入れて高く売る」というのが商売の原則だが、ベトナムの出店者たちは市場ニーズである「安く売る」を実現するため、あの手この手でユーザーに魅力のある商品を届けている。トップセールスともなれば、個人の月間の売上は円換算で1000万円は下らない。

ベトナム・マーケットで成功した日本の「EC」はまだ存在していないと言われているが、ダナンにおける購買力の上昇やサービスの多様化を見ている限り、まだまだチャンスはありそうだ。

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